水中運動を行うにはまず、プールへ行くことからはじめなければならないので、面倒ではありますが、それを遙かに上回るうれしい効果がたくさんあります。
○エネルギーの消費
人は、何もしなくても水中にいるだけで陸上にいる時よりも多くのエネルギーを消費してます。それは、水と空気の熱伝導率が違うからです。水は空気の20倍も熱を伝えやすい性質を持っています。水が熱を伝えやすい分、水中にいると人間は体温が奪われやすくなるので、体温を一定に保つために陸上にいるときよりも多くのエネルギーを消費することになります。
ただし水温が低すぎると、奪われる熱が大きくなり、体温の調整ができなくなります。小学生の頃、プールの授業でくちびるが紫色になって、ガタガタ震えている子をよく見かけました。あれは、体温調整が追いついていない典型的な例です。
水温は最低でも24℃以上、28℃くらいの水温がカラダにはもっとも望ましい環境といえるでしょう。
○心肺機能の強化
水中で体温を維持するために、心臓の活動は盛んになり、血圧を上げ、カラダ全体をすばやく温めるために血液の循環もよくなります。その結果、新陳代謝もよくなるという仕組みになっています。
呼吸については、水中では水圧が生まれ、陸上にいるときよりも余分な圧力がかかるため、呼吸をするときの動作が大きくなります。
一般的には、首まで水中に沈んだ状態は通常に比べ肺活量は約9%減少すると言われています。肺活量が下がっている中、陸上と同じだけの酸素を吸うためには、呼吸に関わる筋肉を活発に動かさなくてはなりません。さらに、泳いでいるときは、水中で鼻から息を吐き、顔を上げたときに口で吸うという動きを繰り返しています。
水圧の関係や、その一定のリズムの水泳独自の呼吸法によって、呼吸機能や心肺機能も鍛えられるというわけです。
○優れた有酸素運動
水中運動は有酸素運動の代表格と言われています。泳がずに水中で歩いているだけでも、全身を使うことができ、運動強度が高くない分、長時間連続してできるのが特徴です。しかも、水中では浮力があるので、カラダ全体への負担が少なく、関節に痛みを抱えている人でも、陸上に比べてラクに動かすことができます。
○全身を使った運動ができる
また、陸上での運動やウォーキングは、主に足など下半身の筋肉を使って推進力を得るのに対して、水泳は全身を使って推進力を得ています。
例えば、クロールを泳ぐときは、腕(肩)を回しますよね。そして、息継ぎの時は半身になるので腰をひねる動きがあり、足を使ってキックを打っています。泳ぐ時のキックは、推進力を得るためのものと思われているかもしれませんが、ゆっくり長い距離を泳ぐときには、カラダを水平に保つためのバランスをとる役割がメインです。クロールを泳ぐときの推進力は、上半身8割、下半身で2割くらいだと言われています。
もちろん上半身の運動効果は、他の有酸素運動に比べると圧倒的に高く、通常使わない筋肉を使うことから、全身をバランスよく鍛えることができます。また、普段の生活では重力の都合でどうしても下半身に溜まりやすい血液も、カラダを水平にしたまま動かすことで循環がよくなり、全身に行き渡らせることができるようになります。
それでは、水中運動における具体的なポイントをいくつか挙げておきましょう。
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